工業用および商業用の床塗装では、エポキシ塗料とポリアスパルティック塗料は必ずしも競合するシステムではありません。実用的な考え方は、それぞれの材料を、その性能を最も発揮できる箇所に使用することです。エポキシプライマーとエポキシ中塗りは、下地をシールし、表面を平滑化し、充填材を保持するとともに、必要な膜厚を形成します。ポリアスパルティック上塗りは、耐摩耗性、耐擦傷性、外観保持性、屋外耐候性、および供用再開までの時間の短縮に寄与します。
この組み合わせにより、エポキシの実績ある性能、コスト効率、および膜厚形成能力を活用できます。また、特に長い作業可能時間が必要な場合には、全層をポリアスパルティックで構成するシステムに伴う一部のコスト面および施工面の制約を回避できます。
エポキシプライマーおよび中塗りとポリアスパルティック上塗りを組み合わせる理由
コンクリート表面には、細孔、レイタンス、局所的な強度のばらつき、および不均一な吸水性が存在することがよくあります。エポキシプライマーは、コンクリートを効果的に濡らし、浸透し、シールできるため、広く使用されています。エポキシ中塗りには、珪砂やその他の充填材を配合することもでき、床面の平滑化と必要なシステム膜厚の形成に役立ちます。
ポリアスパルティック上塗りは、速硬化性、耐摩耗性、または耐候性が求められる露出面に適しています。ただし、上塗りは単なるポリアスパルティック樹脂ではありません。ポリアスパルティック樹脂成分、ポリイソシアネート硬化剤、および添加剤から構成され、必要に応じて顔料、充填材、または防滑材を加えた完全な塗料配合です。完成した上塗りは、施工粘度、流動性、脱泡性、ウェットエッジ保持時間、膜厚、層間付着性、耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、および供用再開時間に関する実用的な目標を満たす必要があります。
完全な上塗り配合において、ポリアスパルティック樹脂の選択は、反応速度、粘度、塗膜強度、および柔軟性の制御に役立ちます。例えば、FEISPARTICシリーズでは、F420およびF423を、より速い硬化と高い塗膜強度が必要な配合に使用できます。F520、F523、およびF528は作業可能時間を延長でき、F424は高固形分を維持しながら粘度を下げるのに役立ちます。反応の速いグレードと遅いグレードを組み合わせることで、流動性、作業可能時間、および供用再開速度のバランスを調整できます。これらのグレードは上塗り用の原材料であり、完成塗料ではありません。最終性能は、樹脂、硬化剤、顔料および充填材、添加剤、ならびに施工条件の組み合わせ全体によって決まります。したがって、エポキシ・ポリアスパルティック床塗装システムは、単に一つの塗料を別の塗料の上に塗るものではありません。各層は、システム全体の中で明確な役割を担っています。
代表的な3種類の床塗装システム
| 用途 | システム構成 | 塗料および配合設計上の留意点 |
| 駐車場デッキおよび工業用薄膜床 | エポキシプライマー+エポキシ中塗り+耐擦傷性ポリアスパルティック上塗り | 上塗りには、良好なローラー施工性に加え、耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、および迅速な供用再開性能が求められます。ポリアスパルティック樹脂成分には、F420またはF424とF520シリーズのグレードを組み合わせることができます。より低い粘度または高い柔軟性が必要な場合にはF2850も検討できますが、完全な配合を、選定した硬化剤、顔料および充填材、ならびに添加剤とともに試験する必要があります。 |
| 意匠床およびセルフレベリング床 | エポキシプライマー+ポリアスパルティックセルフレベリング層または意匠層 | セルフレベリング層または意匠層には、良好な流動性、脱泡性、ウェットエッジ保持性、およびフレーク、カラークォーツ、その他の意匠材との適合性が必要です。ポリアスパルティック樹脂成分には、F420またはF424とF520、F523、またはF528を組み合わせ、流動性、作業可能時間、および硬化速度を調整できます。 |
| 弾性床およびスポーツ床 | エポキシプライマー+柔軟性ポリアスパルティック中間層+ポリアスパルティック上塗りまたはクリヤーコート | 柔軟性中間層はクッション性と耐衝撃性を付与し、上塗りまたはクリヤーコートは耐摩耗性と表面保護性能を付与します。樹脂成分にはF420、F424、およびF330から選定したグレードを使用でき、硬化剤成分にはHDIトリマーと柔軟性HDIプレポリマーを組み合わせることができます。完全な配合を一つのシステムとして試験する必要があります。 |
駐車場デッキおよび工業用薄膜床
エポキシ中塗りは表面を平滑化し、システム膜厚の大部分を形成します。ポリアスパルティック上塗りは、耐摩耗性、耐擦傷性、耐候性、外観保持性、および供用再開までの時間の短縮に寄与します。そのため、上塗りの設計では樹脂の反応性だけでなく、ローラーまたはスキージーによる施工性、脱泡性、ウェットエッジ保持時間、目標膜厚、防滑性、およびエポキシ中塗りへの付着性も考慮する必要があります。
上塗りのポリアスパルティック樹脂成分には、F420または低粘度のF424とF520シリーズのグレードを組み合わせることで、作業可能時間と硬化速度のバランスを調整できます。より低い粘度または高い柔軟性が必要な場合には、F2850も検討できます。ただし、長期耐候性および耐薬品性が求められる上塗りでは、その配合割合を管理する必要があります。樹脂混合物は、ポリイソシアネート硬化剤、顔料および充填材、添加剤、ならびに選定した当量比とともに評価する必要があります。完成した上塗りの性能を、樹脂グレードだけから予測することはできません。
Feiyang Protechが開発した駐車場デッキ用の参考システムの一例では、完全な塗料配合が約30分でタックフリーとなり、約4時間後に歩行可能となり、1日後に車両通行が可能となりました。これらの結果は、特定の配合および特定の施工条件下で得られたものです。実際の供用再開時間は、想定される温度、膜厚、下地状態、換気条件、および完全な塗装システムに基づいて確認する必要があります。
意匠床およびセルフレベリング床
ポリアスパルティックセルフレベリング層および意匠層は、デザイン床、フレーク床、骨材散布システム、およびその他の高意匠仕上げに使用できます。目的は、単に塗料を速く硬化させることではありません。完成した材料は、塗り広げ、脱泡、ウェットエッジの管理、および意匠材の配置に十分な時間を確保する必要があります。また、着色剤、フレーク、カラークォーツ、またはシステムで使用されるその他の材料との適合性も必要です。
ポリアスパルティック樹脂成分には、F420または低粘度のF424とF520、F523、またはF528を組み合わせることで、反応速度と施工粘度を調整できます。F420の一部をF424に置き換えることで、高固形分システムにおける流動性と施工性をさらに改善できます。最終配合は、選定した硬化剤、顔料または意匠材、添加剤、および目標膜厚とともに評価する必要があります。試験項目には、脱泡性、ウェットエッジ保持性、表面外観、および硬化層の機械的特性を含める必要があります。
弾性床およびスポーツ床
このシステムは、柔らかな歩行感、耐衝撃性、またはクッション性が求められるスポーツ床および弾性骨材床に適しています。柔軟性ポリアスパルティック中間層は主にクッション性を付与して衝撃を吸収し、ポリアスパルティック上塗りまたはクリヤーコートは、耐摩耗性、耐汚染性、外観、および表面保護性能を付与します。二つの層は異なる役割を担うため、同じ樹脂選定の考え方に基づいて設計すべきではありません。
柔軟性中間層のポリアスパルティック樹脂成分には、F420、F424、およびF330から選定したグレードを、単独または適切な組み合わせで使用できます。硬化剤成分には、HDIトリマーと柔軟性HDIプレポリマーを組み合わせることができます。柔軟性は、低粘度の軟質樹脂を多く添加するだけで得られるものではありません。硬化剤の構造、NCO/NH当量比、顔料および充填材、架橋密度、ならびに膜厚にも影響されます。したがって、完全な中塗り配合および上塗り配合について、引張強度、伸び率、復元性、層間付着性、および上塗りの耐摩耗性を試験する必要があります。
エポキシ層とポリアスパルティック層の付着性に影響する3つの要因
第1の要因は、エポキシ層の硬化度です。エポキシ層がまだ柔らかすぎる状態でポリアスパルティック上塗りを施工すると、へこみが残ったり、表面が引きずられたり、二つの層が局所的に混ざったりする可能性があります。一方、エポキシが完全に硬化して平滑で緻密な表面を形成すると、次の塗層に十分な機械的密着性を与えられなくなる場合があります。
第2の要因は、表面処理です。直接塗り重ねが可能な時間を過ぎた場合は、エポキシ表面を均一に研磨して光沢を除去する必要があります。その後、粉じん、油分、アミンブラッシュ、およびその他の汚染物質を完全に除去します。研磨の目的はエポキシ層を削り取ることではなく、次の塗料が適切に濡れ広がるための均一な表面粗さを形成することです。
第3の要因は、塗り重ね間隔です。「24時間以内に塗り重ねる」といった規定を、すべてのエポキシ・ポリアスパルティックシステムに共通する固定要件として扱うべきではありません。実際の塗り重ね可能時間は、エポキシ硬化剤、施工温度、膜厚、およびポリアスパルティック上塗りの完全な配合によって異なります。
システム全体をどのように試験すべきか
エポキシプライマーおよび中塗りとポリアスパルティック上塗りを組み合わせたシステムを開発する場合、配合開発者は少なくとも以下の3つの条件を比較する必要があります。
| 試験条件 | 表面処理 |
| エポキシが塗り重ねに必要な最低強度に達した当日にポリアスパルティックを施工 | 表面を清掃し、直接塗り重ねる |
| 翌日にポリアスパルティックを施工 | 直接塗り重ねた場合と、研磨後に塗り重ねた場合を比較する |
| 規定の塗り重ね可能時間を過ぎた後にポリアスパルティックを施工 | 研磨によって光沢を除去し、集じんおよび表面清掃を行った後に塗り重ねる |
評価では、プルオフ付着強度だけでなく、破壊位置も確認する必要があります。コンクリート内部、エポキシ層内部、またはポリアスパルティック塗膜内部で破壊する方が、エポキシ層とポリアスパルティック層の界面で完全に剥離するよりも、一般的に良好な結果と判断されます。
Feiyang Protechのコンクリート保護システムに関する試験では、ある完全なポリアスパルティックポリウレア配合が約4.5 MPaのプルオフ付着強度を達成し、破壊はコンクリート下地内部で発生しました。この結果は、ポリアスパルティックシステムをコンクリートに対して高い付着性を示すように設計できることを示しています。ただし、各床塗料製品について、実際に使用するエポキシプライマーおよび中塗り、完全なポリアスパルティック上塗り配合、想定される下地処理方法、ならびに予想される施工条件を用いて試験する必要があります。
エポキシ下塗り層および中塗り層とポリアスパルティック上塗りを組み合わせる利点は明確です。エポキシはシール、平滑化、および膜厚形成を担い、ポリアスパルティック上塗りは耐摩耗性、耐候性、意匠性、および迅速な供用再開性能を提供します。塗料メーカーにとっての目標は、複数のポリアスパルティック樹脂を単純に混合することでも、上塗りだけを単独で開発することでもありません。目標は、下地要件、塗り重ね可能時間、表面処理手順、塗膜性能、および供用再開時間を明確に定義した完全な床塗装システムを構築することです。ポリアスパルティック樹脂の選定は上塗り配合の重要な要素ですが、硬化剤、顔料および充填材、添加剤、ならびに施工条件とともに試験して初めて、信頼できる完成品性能につながります。
エポキシ・ポリアスパルティック床塗装システムを開発している場合は、下地、施工方法、塗り重ね可能時間、膜厚、作業可能時間、および目標性能をFeiyang Protechにお知らせください。当社の技術チームが、適切なFEISPARTICポリアスパルティック樹脂グレードを推奨し、硬化剤の選択肢をご提案するとともに、TDS、SDS、サンプル、および初期配合に関する技術サポートを提供します。
